のぎりのメモ帳

要約したりメモしたり

『犬ヶ島』日本語をデザインとして落とし込むとこんな映像になるのか…

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あらすじ

犬が増えすぎた近未来、"メガ崎"。独裁者の手によって人間の生活領域から犬が追放される。
ゴミの島で暮らす野生の犬は、愛犬を探しに来たという人間の少年を助けるとともに、犬を絶滅させようという独裁者の陰謀に立ち向かう。

演出

  • ストップモーションで作っている
  • 水平移動・垂直移動を多用した直線的カメラワーク
  • 2Dアクションゲームやエジプト壁画のような横から視点の映像(横スクロールアクション)
  • カメラがパンやズームしたりするときはキャラが動かない(一昔前のPCのRPGっぽい?)
  • 左右対称な画面構成。
  • けんかシーンは綿を使ってモクモクを表現(マンガ的)
  • 日本語の使い方がスゴイ
    • 英語と異なる音声としての利用(人間語=日本語、犬語=英語)。英語キャスターが映画の観客に翻訳するというメタ的な体裁で、日本語を英語に同時翻訳する。
    • 日本語をデザインとして捉えて画面を作った使い方。センスの化物。

思ったこと

今年いちばん圧倒された映画。人生ベストランキングにも入ってきそう。
1画面1画面に、ウェス・アンダーソン監督の神経質なこだわりがつまりまくっている感じ。
大画面・字幕版で見たのだが、隅々まで見てしまい、字幕が追いきれなかったりするレベル。
カリグラフィーとか、日本語の文字のデザインに興味ある人にも見てほしい。
前作の『グランド・ブダペスト・ホテル』は若干ストーリーが退屈に感じたけれど、
今作はボーイ・ミーツ・ガール的な気持ちの良いストーリーであり、ただのオシャレ映画で終わってないところも良かった。