『なっちゃんの秘密』チーム論の本
なっちゃんの秘密―商品デザインは人間を見つめることから始まる。 (商品づくりの書)
- 作者: 加藤芳夫,サントリーデザイン部
- 出版社/メーカー: 六耀社
- 発売日: 2001/03
- メディア: 単行本
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サントリーなっちゃんやBOSSなどのデザインを手がけてきた加藤芳夫さんの仕事論、チーム論の本。
要点
- BOSSの開発
- 缶コーヒー好きの心をつかむために、どんな人が飲むのか、その人たちがどんな飲み方をするのか、ターゲット像の精神構造まで組み立てた。
- みんなが「この事業を動かしている」という気持ちを強く持って仕事をしていた。デザイナーもデザインだけではなく、味開発の人も味のことだけじゃなく、商品をどう売るかまで考えて、まるで社長のように取り組んでいた。
- お互い自分の持ち場での力をフルに発揮することはもちろんのこと、専門外の部分こそ一緒に考え、アイデアを出し、作り上げていく。
- どんな人に聞いたところで、多分その時僕らが考えているその商品について僕らより真剣に考えている人はいない。「自分がほしいのか、本当に自分が買いたいのか」と自分に問いかけて得る答えのほうが、恐らく当たる確率が高いはず。
- (デザイナーさんの一人 石浦さんのコメント)より風景に溶け込んだ商品になってほしい。飲む人の生活そのものに溶け込んで、人生の一部に影響を与えるような存在になってもらいたい。
- なっちゃんの開発
- (当時ダウントレンドだったオレンジジュースを改めて考え直した理由として)「今は何が上昇気流か」というところから決めてしまいがち。それでは誰かの後追いになってしまう。自分が何を食いたいのか、初めにネタありき。
- デカビタC、ビックルの開発
- オリジナリティがありすぎるのも、なさすぎるのも、やはりしっくりこない。その何処を指してクリエイティブとモノマネの境があるのかも難問ではある。ただ考えてみれば、世の中、コピーじゃないものなんてそうそう存在しない。
『犬ヶ島』日本語をデザインとして落とし込むとこんな映像になるのか…
あらすじ
犬が増えすぎた近未来、"メガ崎"。独裁者の手によって人間の生活領域から犬が追放される。
ゴミの島で暮らす野生の犬は、愛犬を探しに来たという人間の少年を助けるとともに、犬を絶滅させようという独裁者の陰謀に立ち向かう。
演出
思ったこと
今年いちばん圧倒された映画。人生ベストランキングにも入ってきそう。
1画面1画面に、ウェス・アンダーソン監督の神経質なこだわりがつまりまくっている感じ。
大画面・字幕版で見たのだが、隅々まで見てしまい、字幕が追いきれなかったりするレベル。
カリグラフィーとか、日本語の文字のデザインに興味ある人にも見てほしい。
前作の『グランド・ブダペスト・ホテル』は若干ストーリーが退屈に感じたけれど、
今作はボーイ・ミーツ・ガール的な気持ちの良いストーリーであり、ただのオシャレ映画で終わってないところも良かった。